山口周氏「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」解説

 

皆さんこんにちは。

この記事では忙しい方のために、話題の書籍のポイントを凝縮して解説しています。

この記事を読むだけで、あたかも本当に読んだかのように、会話や仕事の中で本書のエッセンスを活かすことができるようになります。

 

動画でも同じ内容を解説していますので、ぜひご覧ください。

 

 

今回は、山口周さんの「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」を解説します。

「世界のエリートはなぜ美意識を鍛える」のか、が山口さんの代表作ですが、実は他にも色々な本を出版しています。

 

余談ですが、私が務める経営コンサルタント界隈では、山口周さんの本は良書が非常に多いということで有名です。

良書の条件は、

 

・論理が明確であること

・文章が分かりやすいこと

・主張を裏付ける事例が多く含まていること

 

 

です。

 

最初の2つは当たり前に思いますが、実は論理が明確でなかったり、文章が分かりにくい本はかなり沢山あります。

 

そして、主張を裏付ける事例が多く含まていることは、実はとても重要です。

本は沢山読めば読むほど、だいたいどの本でも主張は似通ってきます。

 

ここで、重要になってくるのはどういう根拠の元にそれを言っているのかで、これが具体的でインパクトのある事例であればあるほど、その主張の印象が強くなります。

 

山口周さんはこの辺が非常に上手な書き手だと私は思っています。

 

本題に戻すと

 

この記事では、この本が一番伝えたいメッセージとな何か?そしてそのメッセージを支える3つのポイントという順番で解説していきます。

 

それでは、本日の書籍「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」この本のメッセージを見ていきましょう。

 

この本のメッセージは、

イノベーションを実現する鍵はリーダーシップと組織のあり方である

です。

 

本書で明確に語られているのは、

「この本は題名にイノベーションと語ってはいるものの、扱っている問題の本質は組織論であり、突き詰めて言えば、リーダーシップ論である」と述べています。

 

たしかにですね、この本を読んでいくと、イノベーションを起こすための方法を紹介していますが、最終的には、リーダーシップと組織のあり方にたどり着くという構図になっています。

 

というわけで、ポイントの中でリーダーシップと組織論の大切な要素を見ていきましょう。

 

ポイント1

イノベーションは目的でも手段でもなく、結果である

です。

 

当たり前のことのように聞こえますが、昨今、イノベーションを起こすぞー、という号令が先だった、いわゆるイノベーションそのものを目的にした取り組みが目立っているように思います。

 

よって、これは最初に強調しておくべきポイントだと思い1つ目のポイントとして取り上げました。

 

 

 

この本は、導入部分で、日本人はイノベーティブでないのか?という問いを立てて、

 

一方で、文学、アニメ、新幹線、ウォークマンといった事例から、

決して日本人がイノベーティブでないわけではないことを証明しつつ、

 

組織が個人のイノベーティブを活かせていないことに問題の本質があるというところから始まります。

 

詳しくはポイント2以降で解説しますが、組織が淀みなく機能することがイノベーションを実現する上で大切だと本書では強調します。

 

さらに、リーダーシップに関しては、マザーテレサや坂本龍馬を取り上げ、彼らは自らの問題意識に基づいて世界に耳を傾け、手を差し伸べた、

 

というイノベーションの発生方法を見た上で、

 

特に日本では権威を持った人がリーダーシップを発揮するというリーダーシップと権威の癒着しており、これがイノベーションを阻害しているという問題点を指摘します。

 

最初の論点に戻すと、組織とリーダーシップ両者がともに正常に機能した結果、イノベーションが起きているのであって、

 

イノベーションを目的とした施策や方策からイノベーションが生まれたわけではないことが分かると思います。

 

続いてポイントの2つ目を見ていきましょう。

 

 

ポイント2

イノベーションが起きにくい組織

です。

本書では特に、

・多様性

・上下間の風通しの良さ

・新参者、もしくは若者の存在

 

を指摘しています。

 

1つずつ簡単に紹介していくと、多様性とは属性の多様性、つまり男女とか多国籍といった表面的なものではなくて、能力の多様さ、例えば、人との関係性作りが上手い人、洞察力が高い人、そういった能力の多様さがある組織かどうかが重要だと話しています。

 

上下間の風通しの良さでは、大韓航空の墜落事故を例に挙げ、副操縦士より機長の方が事故率が圧倒的に高いことや、

 

さらに宇宙開発のNASAなど上下間の風通しの悪さによって摘み取られてしまったイノベーションのケースを紹介しています。

 

上下間の風通しの良さ、もっと言うと情報流通がどの程度なされるかによってその組織においてイノベーションが生まれやすいかどうかが決まると話しています。

 

新参者と若者については、エジソンの蓄音機、レコーダーの事例を取り上げ、

 

結局のところ、新参者や若者が最初に発明された用途とは異なる活用方法を思いついたことでイノベーションは起きていると話しています。

 

続いてポイントの3つ目を見ていきましょう。

 

ポイント3

イノベーションを起こすリーダーシップ

です。

 

まず、リーダーシップには6つの類型があると本書では言います。

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1つずつの紹介は省きますが、ここでは

ビジョン型が最もイノベーティブな組織指示命令型が最もイノベーティブでない組織であるといいます。

 

自分の組織はどのリーダーシップに該当するかを調査した結果、日本はビジョン型が最も低く、率先垂範型が最も高いという結果が出たと本書では言っています。

 

一方で、世の中では一辺倒にビジョン型リーダーシップが素晴らしいと持てはやされる傾向があることも指摘しています。

 

よって、本書では、リーダーシップは文脈によって決まるものであると言います。

 

それを表す分かりやすい言葉があります。

 

フランスの著名な思想家が「船を作りたいなら、男たちをかき集めて森に行かせ、木を集め、ノコギリで切って、釘で止めさせるのではなく、海へ漕ぎ出したいという情熱を男たちに教えねばならない」

と言ったそうです。

これが典型的なビジョン型リーダーシップで、非常に聞こえはいいですが、

 

一方で、たとえば火山が噴火し、溶岩が近づいている状況では、情熱を教えるよりも、とにかく木を切って、船を組み立てさせる指示命令型のリーダーシップが必要です。

 

つまり、文脈によって必要とされるリーダーシップも異なるということです。

 

というわけでいかがでしょうか?

 

冒頭でもお話ししましたが、山口周さんは、世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか、が彼の代表作ですが、彼の本は全般的に、非常に良書が多いです。

 

良書であるかどうかの基準もまとめても面白いかもしれませんが、特にこの本は主張を裏付ける説得力のある具体的な事例が沢山出てくることが良書と言える理由です。